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高田クリニックコラム

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カルテ① 唄われよーわしゃ囃す

高田クリニックコラム

 

2020.11.6

来る199710101112日 栃木市文化会館を主会場に 第9回栃木[蔵の街]音楽祭「親しき調べ」が開催される。 誰もが一度は耳にしたことのある曲をオリジナル楽器(演奏法)の 温かな響きとともに楽しんでいただければ幸いだ。


 オリジナル楽器=バロック音楽と考えると 今回のウィンナワルツやドヴォルジャークなどは外れた感じがするが 「オリジナル」へのこだわりはそこここにある。 疑問に思う方は、ぜひ、当日会場にお運びになってお確かめ下さい。


 それにしても、県庁所在地でもなければ、音楽大学もない、 東武の特急さえ全部は停まらない田舎町に なぜ、「オリジナル楽器をテーマとした音楽祭」が続いているのだろう。


 話は、昭和62年、 市文化会館がオペラ上演のために購入したチェンバロに遡る。  その有効利用を検討する内に、この楽器を利用して 「市の文化環境整備と個性ある町づくりを図る音楽祭開催はどうか」 との機運が盛り上がり、 昭和63年9月、プレ・[蔵の街]音楽祭「むかしが、一番新しい」を実施。 多くの市民参加、国内外の好評を得て、 平成元年、第1回栃木[蔵の街]音楽祭が開催された。

 以来、音楽祭結婚式、出前コンサートなどさまざまな企画が繰り広げられ、 平成8年、その業績に対し、会津若松市、岐阜県白川村、福井県武生市、 島根県三隅町、佐賀市、熊本県湯前町、沖縄県名護市と ともに、国土庁長官賞が授与された。


 9月。今年も人口二万足らずの坂の町、 越中八尾を20万とも30万ともいわれる観光客が訪れたに違いない。 凛々しい男踊り、たおやかな女踊り、三味線、太鼓、胡弓がつむぎだす かなしいほど美しい越中おわら「風の盆」に惹かれるのだ。
 本来観光客のためではなく、八尾に住む人々の一年のはじめであり、 終わりであり、人生の節目かも知れない「風の盆」。 カラオケセット持ち込み禁止、露店の閉め出し等、 いわゆる賑わいの演出を取り去ってなお賑わいを増す「風の盆」。 それは、小学校の正課におわら指導を取り入れる、 住む町への愛と誇りをもった八尾の人々によって支えられている。

 三百年といわれるおわらの歴史と近々十年の [蔵の街]音楽祭は同じではない。 しかし、この音楽祭が、おわらの様に住む人の心の糧になればと思う。